自ら観察して考える時間

早期発達支援では、課題学習・親子体操・社会性の学習の3つのプログラムがあります。

そのプログラムは、1回90分で、3人ずつの就学前のお子さんと、ご家族が参加します

今日は、ある1日の年長クラスのご家族との学びをご紹介します。



親子体操のあと…

それは、親子体操の1つが、終わったときに起こりました。

子供たちは、上手にできたという達成感で、

ちょっと気分が上がり気味。とっても喜んでいました。本当に上手にできたんですよ〜(^^)


そして、次の予定には、ストレッチ用マットを片づけのあと、

ボール運動が提示されていました。

それにいち早く気がついていたA君は、

自分が使ったマットをくるくると丸め始めたのです。

でも、B君は、まだ嬉しい気持ちが湧き出ているようで、

お母さんとその思いを共有しています。

(本当に上手にできたので、嬉しい気持ちが伝わります)



Bくんは何がしたかったの?

そのときです。

Aくんは、ちょっと周りを見た後、一瞬どうしようか考えて「やってあげよう」と

1つ残っているBくんのマットをクルクルと丸めてくれました。


でも、そのとき、Bくんは、

一目散に駆け寄ってきて、マットの上に伏せて、半べそ状態で固まってしまったのです。

Aくんはびっくりして「どうしたの?どうしたらいいの?」と困惑した表情です。

そして、ちらっとお母さんを見ていました。



何をしているか分かるかな?

さあ、このシーン、どうやって対応しましょう?

僕は、こうした場面は、Aくん・Bくんにとっても重要な場面だと考えます。

これは、普段の幼稚園や保育園でもよくあるシーンですよね。


今回は、こんなやり取りをしたのです。


療育者「Bくん、どうしたんだろう?何している?」

 Aくん「・・・。(スタッフの顔を見る)」

療育者「マットを片付けたら、Bくんがきたね」

 Aくん「うん、Bくん、あっち来た」

療育者「Bくんは、何してるだろう?」

 Aくん「・・・。分かんない」

療育者「Bくん、寝ているのかな?泣きそうなのかな? 何してる?」

 Aくん「Bくん、泣いている」

療育者「そうだね、泣いているね。どうして、泣いてるんだろうね?」

 Aくん「・・・(スタッフの顔を見る)」

療育者「自分で片付けたかったのかな? もう一回したかったのかな?」

 Aくん「・・・」



子ども自身が考えられるきっかけをつくる

そのまま明確な返答はでず、次の活動に移り始めました。

Bくんは、気持ちの切り替えに時間がかかり、椅子に顔をうずめています。

そんなとき、Aくん「もう一回やりたかったのか〜?」と話しかけていました。


しばらくして、復活したBくんとAくんたちは、一緒に活動をやり遂げました。

そして、挨拶を終えたとき、

Aくんは、おもちゃ箱から、絡まってしまったレインボースプリングを持って

スタッフに「このおもちゃしたかったのかな?」と持ってきたのです。

そのおもちゃは、Bくんが休憩時間に遊んでいたおもちゃでした。

そう、Aくんは、ずっとBくんのことを考えていたのです。



考える材料を一緒に探す

子ども同士が、響き合っている・・・。

子ども目線でのかかわり合いが、芽生えている。

でも、様子や状況を分析できないから踏み込めていない。うまく関われない。


早期発達支援の親子教室では、何をすればいいのか?

それは、お子さんが「人やものに働きかける主体性」を伸ばしたり、

それを体験的に学べるように導けるように

大人たちが力をつけたりすることだと考えています。


少人数でのプログラムだから、その機会を見逃さずに、

しっかりと体験してもらうことができたし、

親子活動だから、その子どもの情報理解や判断の様子を共有できたシーンでした。

その後、参加したお母さんたちと、幼稚園や兄弟との関わりなど、

たくさんの情報交換をすることができたセッションでした。




2020年度  後期生5名を募集します

コロナ禍で就学相談の日程が、例年どおりに進みづらい状況です。

幼児期に学ぶべき幼稚園等での教育活動に加えて、

発達の凸凹や特性に応じた配慮を理解した療育によって、

小学校での学習活動に参加していく準備を進めましょう。


【教育相談】
  対象|就学前の幼児(未就園児含む)
  日程|水曜日11時、土曜日14〜16時(個別予約)
  申込|メール https://tasuc.com/school/sapporo/
     電 話 011-676-4949




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道内各地から承りますので、お気軽にお問い合わせください。


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