ゴールから考えると療育も工夫が進む
3回シリーズで機能的な目標の1つである『移動』を切り口に、
自立した生活を目指すことについて書いてきました。今回は療育の実際をご紹介します。
アセスメントを終えたメンバーには、
J⭐︎sKepsTMに応じて機能的な目標を厳選し、スモールステップで目標を達成していきます。
療育の柱となるJ⭐︎sKepsTMは,
子どもが多くのことを学ぶための基礎であり,中核であるポイントをまとめたものです.
そのため、アセスメントを終えて,「平均点」と「アンバランスさ」、
「強み・弱みと芽生え」、各項目のばらつき(個人内のアンバランスさ)を確かめて
芽生え項目に注目し、機能的な目標に取り組みます。
公共交通手段を利用して移動する
例えば、中学部のAさんに対する『移動』では、
『自動改札にICカードをかざして公共交通機関を利用し、落とさずに保管する』ことを設定しました。
これまで、Aさんは公共交通機関を使った経験がありますが、その多くはご家族等のサポートが受けていました。
この目標に取り組むにあたり、パスケースを管理するための鞄を調整したり、
手順を覚えられるために続きを視覚的に示したりして、サポートを開始しました。
J☆sKeps3点台のAさんは、提示された計画に沿って活動を遂行したり、
自動改札の受信機やパスケースの管理場所を理解したりするようにアプローチしました。
その結果、現在は、電車移動に必要な日常生活動作が習得され、
地下鉄とJRを乗り継いだ移動において、自動改札にICカードをかざして改札を通過し、
しっかりと保管してホームで待つことできるようになりました。
そして、家族やその他の方との移動もスムーズに行われています。
徒歩での移動する
また、小学生のCさんに対する『移動』では、
『付き添いの人と、歩調を合わせて歩く』に取り組みました。
実は、目的の場所を理解して歩くことができるのですが、どこか危なっかしい。
それは、目標に向けて、マイペースでどんどん進んでいってしまうからです。
しかし、J☆sKeps2点台のCさんは、指示に応じて注視物を選択したり、模倣しようとしたりする力をつけています。
だから、パートナーとのやりとりを適宜促しながら、
自ら隣人を意識したり、歩調を合わせたりする働きかけができるようにアプローチしました。
その結果、日曜日のノルディックウォークでは、前の人と離れたら小走りで寄ってきたり、
買い物での移動で母と並んで歩いたりすることができました。
お互いの存在を意識して歩けることは、それを感じ取れることは、
母にとっても安心の一言です。
これからも、一人一人の学習スタイルを生かし、
機能的な目標をとおして、J☆sKepsを向上させていきます。
【実践交流会のお知らせ】
地域に根ざしたリハビリテーション実践研究会(札幌大会)を開催します!
障がいのある人のご家族、保健・医療・教育・職業サービス等が協力し、
地域に根ざした支援を展開することをめざした実践交流をする研究会です。
https://kokucheese.com/event/index/586432/
『地域で学び、働くことをめざした療育・支援』
1.日 程 2019年12月28日(土)13時00分~17時45分
2.内 容 <分科会1> 暮らしを支える“まち”づくり
<分科会2> ご家族と協働した合理的配慮
< 分科会3>ライフステージに応じた課題の解決
3.会 場 北海道立道民活動センターかでる2.7 802研修室
4.費 用 一般5000円(5名以上の団体4000円/人)
障がいのあるお子様の保護者3000円 学生1500円
(後援:北海道教育委員会・札幌市教育委員会・北海道新聞社)
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